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”生寄也 死帰也”   

昨日の円覚寺足立大進管長の説話の断片をひとくさり

中国の古代 「夏」の国の禹王の言葉に ”生寄也 死帰也” というのがある。

生きていることは、この世にたまたま立寄っているに過ぎない
死こそが帰り着くべき落ち着きどころである

という意味である。

「主人がもう死にそうなんです。これ以上頑張れとも言えない。何と声を掛ければいいか。」と電話で相談されたことがあります。本当にこういうときは何もいえないものです。相談されても答えに窮するのですが、「ひとこと 『私もすぐ行きますから』 と声を掛けてあげなさい」 と答えました。そのご主人は安心して翌日旅立たれたそうです。

この世は無常であるが、”菩提心とは観無常心”(この世は無常であることを観ずることが菩提の心)。先のことに心惑わされることなく、人のために尽くしなさい。

というのが昨日の結論だったかと思う。新春早々縁起でもないが、心して聴くべき言葉である。

今日はわが団地の新春賀詞交歓会。この団地も高齢化が進み、無常の風に吹かれる人も増える。心構えはしっかりしておきたいものである。

by kuchan-nikki | 2009-01-12 17:24 | ひとこと | Trackback | Comments(0)

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